今は利上げへの感度が高い

今週の為替相場は、多くの材料がある中で、
利上げへの感度が高い状態が続くとみています。

これまでは、北朝鮮のミサイル発射や核実験毛の
感度が高い状態となっていましたが、欧州や英国の
利上げに向かう姿勢を材料にする動きが強まっています。

北朝鮮の強硬姿勢に対し、国連安保理は何度も
制裁決議を発行しましたが、経済的な制裁だけにとどまり、
決定的な制裁にはロシアや中国が反対の姿勢を見せているのは
確実で、絶対的な制裁には踏み切れないのも事実です。

といって、米国が北朝鮮に対して軍事的な制裁を行う
可能性は少なく、北朝鮮弾道ミサイル発射実験や
核実験を繰り返す可能性が強まっています。

米国の振り上げた拳は、現状では振り下ろせない、
そんな印象が強まっています。

だから弾道ミサイル発射があっても、瞬間的には金融市場、
特に為替市場が反応しても、その後は利上げ等の材料に
反応して、リスク回避の動きはなくなってしまうという
動きがみられています。

この中、今週は米国でFOMIが開催されます。

物価関連指標では、年内の米国の利上げにを後押しする
材料が出ましたが、その後の経済資料の発表では
ハリケーンの影響という一過性のものでしたが、
利上げを躊躇させる内容が出てきました。

市場はこの動きに敏感に反応しています。

一方、欧州ではECBが次回10月の金融政策決定会合で、
利上げの道筋を明らかにすることが判明しました。

さらに英国では、今後数カ月以内に利上げを行う
との中銀幹部からの発言が出るなど、利上げ機運が
高まっています。

為替市場では、この欧州の動きを映して、欧州通貨が
上昇基調にあります。

この中、英国ではテロとみられる、地下鉄駅での
爆発がありました。

欧州では、小さなテロが起こる可能性がありますが、
大規模なテロでない限り、小さなテロは日常に
吸収されてしまう可能性があるのではないか、
と考えます。

欧州通貨にとって、マイナスの材料が出るかとは
思いますが、それよりもこれまで小さいと
みられていた欧州の利上げの道筋が見えてきただけに、
この新しい動きを為替市場は大きな材料にするのでは
ないかと考えます。

北朝鮮の恫喝は、日本列島を超えている限りは、
日常茶飯事のことと思われている節があります。

日本列島に弾道ミサイルが着弾しない限り、
あるいはグアム周辺やハワイ周辺に着弾しない限り、
材料にされることはないと考えます。

為替市場の人気投票は、欧州通貨(ユーロ、英ポンド)>
ドル>円ということになりそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜113.20円、
ユーロ円が128.20〜134.20円、
英ポンド円が148.20〜154.20円、
ドル円が86.20〜92.20円。