ドル底堅い動きも北朝鮮情勢には注意

今週の為替相場は、ドルが底堅い推移が予想されます。

前週末の米雇用統計発表で、非農業部門の新規雇用者が
7年ぶりのマイナスとなりましたが、これはハリケーン
影響が大きかったことと指摘されています。

むしろ、失業率が0.2ポイント改善したことや、
時間当たり賃金が上昇したことなど、米雇用環境は
改善したとの見方が大勢です。

このため、米国では、年内の利上げの可能性を
指摘する声が支配的となっています。

FRB高官も利上げの可能性について前向きな発言が聞かれ、
年内の利上げを想定する向きは90%を超えていると
みられています。

ドルは、こうした動きを睨んで、底堅い動きを
継続しています。

本来なら、もう少しドル買いの勢いが増しても
良いのですが、利上げ観測だけではドルを買うのには
勢いがつかないとみられています。

やはり、北朝鮮情勢を巡るリスクが大きな
マイナス材料として立ち塞がっているのです、

北朝鮮と米国が言葉の激しい応酬や、小競り合い、
軍事的衝突となった場合のリスクが大きすぎるために、
ドル買い材料があってもドルの上昇は緩やかなものに
とどまっているのです。

特に、北朝鮮はミサイル発射実験はやめる気配が見えず、
核実験もまだ繰り返す可能性が出ています。

また、10月半ばには再びミサイル発射実験を行う構えです。

ロシアからの情報では、米国の西海岸までの距離を
目標にしたミサイル発射実験を北朝鮮は狙っていると
伝えられています。

これが近々行われるという情報が流れています。

これが実施されたら、米国も北朝鮮付近での重爆撃機
飛行や、日本海での海軍の示威活動を強める可能性が
出ています。

そうなれば、北朝鮮はさらに米国に対する威嚇の可能性を
強めるのではないかとの懸念が市場では強いのです。

北朝鮮が暴発する可能性は、様々な記念日が
ある10月半ばに強まる可能性があるとみています。

そのため、ドルを買う材料が出ても、リスク回避の
ドル売りを意識してしまうのです。

日本では、総選挙が行われます。

当初、政権交代選挙と言われていましたが、その目的が
違っているような感じがします。

ただ、これまでの安倍一強から様子が変わる
可能性があります。

これを変化とみるのか、安倍首相の勢いが万が一
そがれた場合、海外はどんな目で日本を見るのか、
注目しています。

日本が弱小国になったと判断されて、経済的・政治的な
プレゼンスが小さくなるのか、日本を叩くのは今だと
極東アジアの国々から言いがかりをつけられのか、
大いに注目したいと思います。

また、欧州ではスペインの分離独立問題で揺れています。

古くて新しい人種紛争が、欧州の間で強める
可能性があります。

どこを見ても、ス安定な・不透明な動きが
強まってきていると思います。

こうした要因が、為替市場・金融市場にどのような
影響を与えるのか注視したいと思います。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜115.20円、
ユーロ円が128.20〜135.20円、
英ポンド円が144.20〜150.20円、
ドル円が84.20〜90.20円。