収益確保と米内政問題を材料視

今週の為替相場は、年末を意識した収益確保の動きと
米税制改革の行方、トランプ大統領ロシア疑惑
進展などの内政問題を材料視する動きが予想されます。

例年年末が近づく場面で、投機筋などが収益を
確保する動きを強めることが予想され、ドルを
売って米国内に資金を還流する動きが為替相場
大きな影響を与えます。

その動きが足元では垣間見られることになっています。

これまで113円を中心に動きが見られなかったドル円相場は、
収益確保のドル売り・円買いが持ち込まれる中で、
111円台にドルが下落する動きが見られました。

さらに、米材税制改革の動きや、トランプ大統領
側近に対して、ロシア疑惑の捜査が進んでいることなどが
ドルにとっては、売り材料として意識されています。

ドル自身の弱材料がドル売りの動きに
つながっているわけです。

しかし、12月には米国では利上げが予想されています。

足元の米経済指標も12月の米国の利上げの正当性を
うかがわせるものとなっています。

間違いなく米国では、利上げが実施されるという読みが
市場では強まっていますが、利上げ観測だけではドルを
買い続けられない、そんな動きを見せられている感じが
します。

確かに米国の利上げ=金利差拡大はドル買い・円売りの
大きな材料になるのですが、手元の収益を米国に
送金する必要にも迫られているわけです。

そうした動きが、今足元では強まっているわけで、
その動き次第で、ドルの水準が決まるものと見られます。

ドル円が110円を超えて、どこまでドルの下値を
探ることが出来るか否か、今週以降は、これを
試す動きが出てくるのではないかと思います。

ドルが買うことが出来るのは、12月の利上げを
意識した動きが強まった場合だけで、トランプ大統領
巡る動きは深刻の度合いを深めています。

この動きがさらに強まった場合には、ドルの信認の
問題に発展すると思います。

市場はそれを意識しているから、本来ならドルを
買う材料が目の前にあるのに、ドルを買い切れていない、
そんな感じがしています。

また、欧州でも内政面で不安定な動きが払拭されていません。

スペインでの独立問題等々、欧州も不透明感が
強くなっています。

英国のEUからの離脱も、佳境に入ってきています。

どんな形でEUから離脱するのか、英国とEUとの関係を
注目したいと思います。

そして、北朝鮮情勢です。

今のところ、北朝鮮からはミサイル発射もないし、
核実験も行われていません。

中国からのアプローチが強まっている状況下、
米国との舌戦がどのような形になるのか。

突然、対話の窓が開かれるのか、大いに
注目したいと思います。

まずは年末を意識した動きを睨みながら、
ドルの下値を意識する動きに注意したいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜115.20円、
ユーロ円が128.20〜135.20円、
英ポンド円が146.20〜153.20円、
ドル円が80.20〜86.20円。