ロシア疑惑、改めて材料視

今週の為替相場は、米国の内政問題が
改めて材料となる可能性が強まっています。

トランプ米大統領とロシアとの不透明な関係を
巡る疑惑で米連邦捜査局FBI)に虚偽の供述を
したとして訴追され、虚偽供述を認めたフリン前
大統領補佐官(国家安全保障担当)が、トランプ氏自身が
大統領就任前にロシア側と接触するよう指示したと
証言する意向を持っていると伝えられたことを材料に、
ドルが軟調に推移した流れが意識されるのではないか
と思われます。

これまで、ロシア疑惑については、トランプサイドが
真っ向から否定していることで、なかなかその進捗が
見られませんでしたが、時間の経過とともに、
トランプ大統領自身がロシア疑惑に関与している
との証左が集まりつつあるようです。

この動きが、今週からさらに強まるものと思われ、
トランプ大統領の関与が明らかになってくれば、
大統領の権威に対する懸念が広がり、ドルの信認が
揺らぐ動きが出る可能性が強いと思います。

ただ、年末を控えているだけに、年末の特殊要因が
ドルを支える材料になる可能性もあり、ドルの信認が
ストレートにドル売りに結びつくとは考えにくいのでは
ないかと思います。

基本はドル円は、110円が一つの壁になり、この水準を
あっさり超えるドル安・円高が実現するかにかかっている
と思います。

また、久しぶりにミサイル発射を実施した
北朝鮮情勢も気がかりです。

基本的には、北朝鮮の暴発はドル売り材料と
なっていますが、米国では北朝鮮との開戦に
反対しているとみられる国務長官の辞任が
噂されています。

北朝鮮との話し合い路線を明らかにしている
国務長官の辞任が取り沙汰されていることで、
トランプ大統領北朝鮮との戦争を意図している
のではないかとの思惑も広がっています。

万が一、北朝鮮と米国が戦争になると、
これまでのようにリスク回避のドル売り
というわけにはいかないと思います。

戦争する場所が日本に近いことで、有事の
円売りというパターンも考えておいた方が
良いと思います。

北朝鮮のこれまでの発言からみて、ミサイルの
標的は米国と思われがちですが、実際に戦争と
なれば、韓国や日本に対する攻撃が考えられる
可能性が強いと思います。

また、北朝鮮からの難民が日本に向かってくる
可能性もあり、その場合に、日本の大勢が
まだ十分に整っているとは考えられません。

そのような非常事態に、日本は対応できないのでは
ないかとの不安感も、円に対する信任を脅かすのでは
ないかとみています。

これまでは、北朝鮮との対立はリスク回避の
円買いという構図が成り立っていましたが、
今後は、そういう構図は成り立たないのでは
ないかとみています。

年末が意識される中で、北朝鮮が暴発するような
ことがあれば、それこそ想定外の動きが出ることが
予想されます。

これまでの材料を見直しながら、年末年始に向けた
動きを再確認する週になるのではないか、
そんなことを考えています。

ドル円で言えば、110.20円をどんなスピードで
抜けていくのかいかないのか、まずはそれを
見極めたいと考えます。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜114.20円、
ユーロ円が128.20〜135.20円、
英ポンド円が146.20〜152.20円、
ドル円が82.20〜88.20円。