年末の方向性を占う週に

今週の為替相場は、年末の方向性を占う週に
なることが予想されます。

今週は、米国や欧州中銀などの金融政策が
発表されます。

米国では、利上げが実施されるとの見方が支配的、
欧州でも利上げに踏み込む週になるとみられています。

これまで、具体的な利上げを行っていたのは米国や
英国でしたが、今回は欧州中銀も利上げに踏み込む可能性が
強いとみられています。

これまでは、金利差を意識するとドルに分があったのですが、
欧州中銀が利上げを行うと、金利差が意識されても、
ドル一辺倒ということはなくなると思います。

奥州の利上げが、ドルとの金利差を埋めることで、
欧州通貨に買いが入ることが予想されます。

また、トランプ米大統領イスラエルにある米大使館を
テルアビブからエルサレムに移動させることを正式に
発表したことで、微妙なバランスにあったイスラエル
パレスチナの動きの大きな変化をもたらす可能性が
出てきました。

欧州各国をはじめ、世界中から、今回のトランプ大統領
決定に、懸念する声が出ています。

中東情勢の混沌はもちろん、これがイスラム過激派の
テロを正当化する道に進めるのではないかとの声も
出始めています。

その標的は米国だけではなく、欧州、アジア、
世界中に拡散するのではないかとの声も出ています。

今回、米国の同盟国からもはっきり、トランプ大統領
決断にはノーという答えが突き付けられています。

これに対し、日本は、引き続きトランプ政権に
100%寄り添う姿勢を示しています。

中東情勢も、米国追随の姿勢を鮮明にしているわけです。

こうした日本政府の対応に対して、中東を始め、
旗幟を鮮明にする必要があるとの見方も出ています。

日本が米国、特にトランプ大統領に100%寄り添う
姿勢を続けた場合には、それなりの報復が
寄せられる可能性も出ています。

今までは、トランプ政権に100%寄り添うことが
日本の立場を有利にしていた面もありましたが、
エルサレムという、世界の機微に触れる場所の
陣取り合戦にあいまいな姿勢を取り続けることで、
日本は中東問題では中立を維持してきたという
見方は大きく崩れる可能性が出ています。

イスラム過激派だけでなく、イスラム穏健派からも
日本政府の対応に不満が出る可能性もあります。

さらに。北朝鮮情勢も気がかりです。

北海道などに続々と北朝鮮の漁船と言われる木造船が
漂着しています。

無人島に入っては、窃盗を繰り返していることを考えると、
何らかの動きが北朝鮮にあるのではないかと懸念されます。

また、エルサレム問題で、世界の常識から大きく逸脱した
トランプ大統領北朝鮮に対して武力行動を行う可能性は
ゼロではありません。

実際に、北朝鮮に対して武力行使が行われれば、日本が
どのような状態になるのか、誰にもわからない事態が
起こることが予想されます。

国際情勢、国内情勢とも不透明な材料が目白押しの中で、
その時々の材料で為替相場が大きく揺れる可能性が
あることには留意が必要だと思います。

ドル売り・円買い、ドル買い・円売り、どちらにも
備える必要が今まで以上にありそうです。

予想レンジは、
ドル円が108.20〜116.20円、
ユーロ円が128.20〜136.20円、
英ポンド円が148.20〜156.20円、
ドル円が82.20〜90.20円。