各国高官発言を注目

今週の為替相場は、各国の高官発言を
注目したいと思います。

きっかけは米財務長官のドル安容認発言です。

これで、ドルは対主要通貨で下落のスピードが
速まりました。

その後、トランプ大統領がドル高は望ましいと発言すると、
ドルを買い戻す動きが強まりましたが、市場は米国の
貿易赤字を減少させるためにも、トランプ大統領の本音は
ドル安容認との見方が広がると、ドルは再び対主要通貨で
軟調に推移しました。

このドル売りに弾みをつけたのが黒田日銀総裁の物価の
2%上昇に前向きとみられる発言です。

日本は基本的には、為替相場の水準について言及する動きは
ありませんが、対米黒字が拡大する中で、貿易赤字
縮小させたい米国の立場を忖度して、ドル安・円高
ある程度は受け入れるのではないかとの見方が強まっています。

ドル円で見て110円の壁はなく、あっさり1108円台まで
ドル安・円高が進みましたが、今週も米国政府高官からの
発言を注目したいと考えます。

米国の本音がどこにあるのか、これを政府高官発言で
探っていくことになると思います。

この中、今週は米国で雇用統計の発表があります。

1月に発表される雇用統計は、過去に遡って
修正されることもあり、為替市場に与える影響は
小さくありません。

米国の景気は順調、雇用統計はFRBが望む水準に
上昇している、そんな評価をくず下種ものとなるのか否か、
注目したいと思います。

とは言え、米国の政府高官発言をきっかけにドル安が
進行したこともあり、やはり米政府高官がこのドル安を
どのように評価するのか否か、見極めたいと思います。

108円台前半にあっさり上昇したことで、次のドル安のメドは、
102.20円となりますが市場はまだそこまでのドル安が
進むことに懐疑的ではないかと考えます。

まずは106.20円、あるいは104.20円程度がドル安の
めどとしてとらえておきたいと考えます。

もちろん、これには円高に進むスピードに対する
日本政府の口先介入がどの程度出てくるか、
為替相場を巡る日米両政府、あるいは欧州も
含めて政府・当局者の発言に注目が集まることに
なるのかもしれません。

また、欧州通貨は欧州の金利上昇観測や、
ユーロ高容認姿勢を睨んで、ユーロが堅調な動きを
見せることに注目したいと思います。

欧州では、欧州通貨高に対して、けん制する発言は
出ていません。

こうした動きはまだ続くと考えているので、
ユーロ>円>ドルという構図になるかも知れません。

欧州通貨が為替相場のかく乱要因になるかも知れません。

経済指標の発表はもちろん、各国政府・当局者発言を
注目したいと考えています。

予想レンジは、
ドル円が104.20〜110.20円、
ユーロ円は132.20〜139.20円、
英ポンド円は150.20〜156.20円、
ドル円は86.20〜92.20円。











<為替> ドル/円が一時108円台前半に下落。その後はやや値を戻し108円台後半での取引。黒田日銀総裁の発言が材料視された。

黒田総裁は、スイスで開かれている世界経済フォーラム年次総会(WEF、ダボス会議)で、インフレ率が日銀が目標としている2%に達するのを阻む複数の要因が存在しているものの、賃金と物価は緩やかに上昇しており、目標に近づきつつあるとの認識を示した。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.33%安の89.1。週間では1.6%の下落となる勢い。トランプ米大統領は25日、CNBCのインタビューで「ドルがさらに強くなり、最終的には強いドルが望ましい」と指摘し、当初のムニューシン米財務長官の発言は誤って解釈されたとの認識を示した。

ユーロ/ドルは0.15%高の1.2413ドル。前日は約3年ぶりの高値となる1.2536ドルをつけていた。UBSウエルスマネジメントはユーロ/ドルの6カ月見通しを従来の1.22ドルから1.28ドルに上方修正した。