ドルの上値の重さを意識か

今週の為替相場は、ドルの上値の重さを意識する
展開が予想されます。

米朝首脳会談を前に、米国、北朝鮮がお互いを
持ち上げる発言が目立つ中で、米朝首脳会談
成功に終わるのではないかとの安心感が広まっています。

朝鮮半島を巡る地政学的なリスクが大きく後退する動き
となっています。

この中、米国では経済指標が堅調な数字を示しており、
年内後2回の利上げの可能性が強いとみられる中で、
ドルは底堅い動きを見せています。

対円でも一時110円台に乗せるなど、ドルが上値を
模索する展開も見えています。

特に、欧州が経済指標の停滞が続いていることから、
利上げが難しくなっていることで、金利差が意識され、
ドル高・ユーロ安が続いています。

円も金利差が意識されるなかで、じりじりと対ドルで
軟調な動きを見せていますが、対ユーロなどで円が
上昇していることで、対ドルでの円の下落は緩やかと
なっています。

北朝鮮を巡る地政学的リスクは後退しているのですが、
イランとの核合意を米国が破棄したことで、中東情勢を
巡る懸念が広がっています。

特に、原油価格に影響を与え、原油高が進む中で、
ドル高が進むという動きがみられており、この動きが
欧州通貨、あるいは新興国通貨市場に影響を
与え始めています。

新興国の脆弱な経済を睨んで、これまで新興国
投資されてきた先進国の資金が新興国から流出する
動きも見られ、この動きが国際金融市場に対する
懸念材料となっています。

米国は、堅調な経済を背景に、さらなる利上げが
意識されていることも、ドルの上昇を予測させる
材料になっています。

新興国通貨危機が意識されるような動きと
なった場合には、為替市場は混乱することが予想され、
その場合には、ドルの一段の上昇があることには
留意したいと考えます。

とは言っても、ドル円は110円台でドルがステイする
材料には欠けるとの読みも根強く、110円台を
明確に抜けるか否かが、大きな材料になりそうです。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が126.20〜132.20円、
英ポンド円が144.20〜152.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。