リスク回避の動き、なお意識か

今週の為替相場は、トルコ、イラン、
中国などを巡るリスク回避の動きを
なお意識する動きが続くものと思われます。

米国人の牧師がトルコで拘束されたことから、
トルコに対して厳しい姿勢を見せている
トランプ政権の動きからトルコリラ
急落した動きが、新興市場国通貨に影響を
与えていること、トルコに対する欧州の
金融機関の融資の大きさから、ユーロ売りに
つながった動きは、米国とトルコの緊張感が
解けない中で、継続するものと思います。

加えて、米国とイランの緊張状態は
継続している状態です。

イランに対するトランプ大統領の嫌悪感は、
外交関係を凌駕するものとなっており、
理屈では通じない動きをみせています。

トランプ大統領の発言に、イランは敏感に
反応しており、軍事的な衝突が起きても
不思議ではない、そんな感じがしています。

とは言え、イランに対しては嫌悪感を
示しているのは米国(トランプ大統領
だけで、ロシア、中国はもちろん、
欧州も話し合いでの解決を望んでいます。

日本もイランからの石油輸入禁止
示されて、その対応にとまどっている
状況です。

こうした国際的な動きをみても、
イランとの軍事衝突の可能性は少ない
とみているのですが、トランプ大統領
何を仕掛けるかわかりません。

唯一、トランプ大統領を支持している
イスラエルが、イランに対して何かを
仕掛けるのか、その行方が大きな
軍事衝突につながる可能性が
出てくると思います。

これに対し、中国と米国の貿易戦争に
ついては、米中間での話し合いが
予定されており、関税を巡る応酬も、
一息つく可能性も出ています。

とは言っても、中国との貿易不均衡に
対して、これを解消したいと考えている
トランプ大統領の姿勢に変化はないと
考えます。

そのためにも中国からの譲歩を
引き出すことが出来ない限り、
中国に対する厳しい姿勢は継続する
と思います。

このように、トランプ大統領の資質が
国際金融市場の波乱要因になっている
ことは間違いありません。

この動きが新興国市場にも大きな影響を
与えており、きっかけ一つでリスク回避の
動きが大きなものになる可能性は
少なくないと見ています。

リスク回避の動きが強めれば、円買いが
強まるものと考えられます。

その場合には、110円を超えて、一気に
106円台に迫る動きも想定されています。

もちろん、対ドルだけでなく、対ユーロでも
円が上昇する動きとなり、加速度的に
円買いが進むのではないかと考えています。

引き続き、トランプ米大統領の意向を
見極める動きが続くのではないかと
みています。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円が122.20〜128.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が86.20〜82.20円。