ドル、レンジ圏の動きを継続か

今週の外国為替市場では、ドル円相場は
これまでのレンジ圏での動きを継続するか。

注目されていたパウエルFRB議長の
講演会では、9月の利上げに前向きな
発言が見られました。

ドル円相場は、この発言が出る前から、
9月の米国の利上げを織り込む形で、
ドルが上昇する動きを見せていましたが、
実際に利上げに前向きな発言が出ると、
ドル買いはやや一服している状態です。

トランプ米大統領FRBの金融政策を
批判する発言を受けて、ドルは110円を
割りこむ動きを見せましたが、その後は
9月の利上げを意識して、ドル買いが強まり、
ドルは111円台後半に上昇しましたが、
予想通りに9月の利上げを示唆する
FRB議長の発言を受けて、ドル買いが
収束する展開となりました。

まさに噂で買われて、事実で売られる
という形となったわけです。

この中、米中貿易問題については、
米中関係者の会談が行われたものの、
具体的な進展は見られず、引き続き、
米中貿易問題の行方が大きな材料に
なることになりそうです。

イランとの問題についても、
トランプ大統領ツイッター次第では、
イラン側の強硬な姿勢が出てくる可能性が
あります。

イランからの原油輸入問題についても、
11月の期限を前に、トランプ大統領
何かささやく可能性もあります。

欧州や日本が、トランプ大統領の発言を
どのように受け止めるのか、米国と
イランの対立が欧州や日本に与える影響を
注視することが必要だと考えます。

また、北朝鮮との問題でも、米国からの
非核化要求について、北朝鮮からは
反発の声が出ています。

米国が一方的に北朝鮮に譲歩を迫っている
との声が何度も聞かれており、米国と
北朝鮮の齟齬が強まれば、リスク拡大
との見方に広がる可能性もあります。

一方、米中貿易問題については、米国が
中国製品に対する関税引き上げが、
中国の反発を誘って、貿易問題は
エスカレートしている状況です。

どこかの場面で、中国は折れる必要が
あるのでしょうが、今のところ、
米国の関税引き上げに対して、中国も
同じような関税引き上げを行っており、
関税引き上げを巡る米中のチキンレース
収束する動きが見られません。

市場は、この動きは常態化しているために、
動揺は少ないのですが、何かきっかけが
あれば、改めて意識される可能性があります。

このように、最近の金融市場では、
トランプ大統領が仕掛けている問題で
動揺しているのですが、脅しも度重なれば、
効き目は薄くなる、そんな感じが見て取れます。

とは言え、口喧嘩が口で収まらないような
事態になった場合には、それなりの動揺は
予想されます。

引き続き、大きな問題が山積する中で、
トランプ大統領の意向を注視する必要が
あると考えます。

予想レンジは、
ドル円は108.20〜113.20円、
ユーロ円が126.20〜132.20円、
英ポンド円が138.20〜144.20円、
ドル円が78.20〜83.20円。