ドル、レンジ圏での動きか

今週の為替相場では、ドルはレンジ圏での
動きを継続するものと見られます。

北米の貿易交渉の行方が大きな材料と
みられています。

メキシコとは合意しましたが、カナダとは
まだ合意に至っていません。

トランプ政権の強権的な行動や貿易交渉が
米国ファーストで行われていることに
対する懸念も広がっています。

トランプ政権の過激な行動が、国際市場に
大きな影響を与えていますが、この流れは
今週も変わらないとみています。

イラン問題では、イランがより過激に
なっている様子がうかがえます。

トルコとの問題でも、トルコが
より過激になっている感じです。

この中、核放棄で一致したとされる
北朝鮮との問題でも、米国と北朝鮮
対立が懸念される状況になっています。

結局、史上最大の米朝首脳会談は、
大事なことは何一つまとめることが
出来なかった、そんな印象が
強まっています。

米朝首脳が会うことが大事で、
その中身は何も決められなかった、
そんなことが一連の米朝対立で
浮かび上がってきます。

韓国は、朝鮮半島の戦争状態を
終結させるためには何でもする、
北朝鮮に対する経済制裁は終わりに
したいという姿勢を強めているわけで、
北朝鮮トランプ大統領と会ったことで、
これまでの北朝鮮包囲網を取り払うことが
出来たわけです。

つまり、トランプ米大統領は、色々な問題で
主導権を握っているかのような印象を
持たせますが、結局、何もできていない、
そんなことが足元での各国と米国との
対立で際立っているのです。

イランにしても、トルコにしても、
北朝鮮にしても、中国にしても、
米国から激しい圧力を受けていますが、
米国が望む回答は何も得られていない、
そんな感じです。

為替市場は、米国との対立が強まると
リスク回避の動きからドル売りを
強めていますが、結果は何も出ないので、
元の水準に戻るということを
繰り返しています。

この中で、今、市場が見ているのは
9月の米国の利上げです。

これまで発表された経済指標を見て、
FRBは利上げの条件が整っている
との見方を示しています。

これがドルの下値を支える
大きな要因となっています。

利上げを材料にドルが買われている分、
9月に利上げが実際に行われれば、
ドルは売られる。

「噂で買われて、事実で売られる」
そんな格言が、意識される展開に
なると思います。

今週は、こうした動きを睨みながら、
週末に発表される米雇用統計が
大きな材料になるとみています。

最近では、9月の雇用統計発表は
季節調整が為されていることで、
大きな材料になることは
少なくなっています。

以前は、9月に発表される雇用統計は
不確定材料になることが多く、
雇用統計発表は緊張をもって
待たれる存在でした。

予想の範囲内に収束すれば、
9月の利上げを後押しするものと
見られます。

米国を巡る国際的な緊張が
高まらない限り、雇用統計を受けて、
ドルは上値を意識する、そんな構図が
読み取れるのですが、あまりにも
国際的緊張を材料視されており、
何があるか分からない、そんな不透明な
展開を想定したいと考えています。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円は126.20〜132.20円、
英ポンド円が138.20〜145.20円、
ドル円が76.20〜82.20円。