米利上げ継続、ドルの支援材料に

今週の為替相場は、米国が利上げを継続する
可能性が強まっていることで、ドルを買って
安心との見方が広がっています。

先週開催したFOMCでは、年内あと1回の利上げ、
来年には3回、2020年には1回の利上げを行い、
これで利上げは打ち止めとの見方が市場では
広がっています。

米国では、利上げを正当化する経済指標が
多く発表され、FRBはこれを受けて、
毅然と利上げを継続しています。

中間選挙を前に、トランプ大統領は利上げについて
否定的な発言を繰り返していますが、FRB
金融政策当局として、トランプ氏の言葉を
やり過ごしています。

また、米中の貿易問題は、結果的に中国にとって
不利に働くとの声が多い中で、リスク回避は
ドル買いとの見方が強まっていることも、
ドル上昇のスピードが速まっています。

この中、欧州では、英国がEUから離脱することで、
その道のりが不透明となっていることや、
離脱問題で欧州市場が混乱するとの見方から、
ユーロを買って安心の道筋が見えていません。

一方、円は、対ドルで112.20円をあっさり超える
ドル高・円安となったことで、次の大きな目標は
118.20円が意識されています。

もちろん、115円が一つの節目になることも事実で、
以前、ドルが買われた時も、115円が意識される
動きとなると、ドル買いが弱まる動きも
散見されていました。

ドルが120円大台を回復するまでのドル買い材料
見当たらないことがありましたが、今回も2020年まで
米国が利上げを継続するとの読みが強まったことが、
足元のドル買いにつながった感は否定できません。

この中で、これまで材料にされていたドルにとっての
弱材料が、今は逆にドルを支援する材料になっている
状態です。

また、ユーロも、英国がEUから離脱する日が
近づいている中で、英国経済はもちろん、
欧州経済に対する不透明感が広がり、これが
ユーロを積極的に買いにくい要因となっています。

円は、リスク回避通貨として、対ドルで
上昇していましたが、今は、リスク回避通貨は
ドルとなり、これまでリスク回避通貨として
買われていた円が売られる動きを見せています。

東京市場では、円を売って、日本株を買う
海外投資家の動きもみられており、円売りは
根強いことになる可能性があります。

とは言え、ドルが売られる材料には
事欠かないことや、きっかけ一つで、
リスク回避の動きが逆転する可能性もあり、
このまま一本調子でドルが上昇できなければ、
以前、ドルが上昇したものの、結局、
逆に売り込まれた動きが再来するかもしれません。

中間選挙をにらんで、何があるか、
分からないことばかりで、これまでの
ドル売り材料を確かめていくことが必要だと
思います。

予想レンジは、
ドル円が109.20〜115.20円、
英ポンド円が127.20〜133.20円、
英ポンド円が144.20〜152.20円、
ドル円が78.20〜84.20円。