ドル円、108.20円が大きな壁に

今週の為替相場は、年末年始休暇が
重なることで、市場の動意は乏しくなると
考えられます。

この中、欧州をはじめ、1月2日から取引が
始まることで、薄商いの中で、動きが
激しくなることも予想されます。

特に、昨年末にかけて、ドルは米利上げの
打ち止め時期が従来想定より早まるとの見方や、
利上げが米経済鈍化への懸念に繋がっていること、
米政府機関の一部閉鎖や、米中貿易摩擦
行方などが注目され、ドル安が進みやすい
展開となりました。

当初は株価の下落がドル売りを誘いましたが、
株価が暴騰する場面が見られたところで、
ドルの下落は落ち付きを見せましたが、
その後、ドルはじりじりと値を下げる動きを
見せています。

ドル絵の先行きについて、不透明感が
広がっているのが、ドルが下げ止まらない
動きに繋がっているようです。

市場では、近年初はドル安と呼んでいる
風があり、こうした思惑もドルを下げやすい
展開に繋がっているのではないかと
考えています。

これに対し、欧州では、複雑な英国の
欧州連合(EU)離脱などが材料視されている
状態で、ユーロや英ポンドが軟調な動きと
なる可能性が否定できない状況に
なっています。

英国がEUから上手く離脱することが
出来るのか否か、まだもめるようなことに
なるのか、市場ではそれがつかみにくい
とみているのではないでしょうか。

ドルが軟調になっても、対照的にユーロや
英ポンドが買われるという動きが出ておらず、
円やスイスフラン避難通貨としての役割を
果たしているような感じがします。

ドル円で見て、目先の大きな壁は108.20円を
超えるドル売りが出るのかどうかがカギに
なるとみています。

同水準をあっさり抜けるようなら、
106.20円、あるいは105円を超える
ドル安が見える可能性もあるのかもしれません。

108.20円が守れれば、ドル円は110円前後で
レンジ圏を形成する可能性が強いと思います。

引き続き、米国発の材料が市場の中心になる
と思われ、ドルにとっての弱い材料が
出されれば、ドル売りに拍車がかかる
可能性があることには注意が必要だと
考えます。

予想レンジは、
ドル円が106.20〜112.20円、
ユーロ円は124.20〜130.20円、
英ポンド円が136.20〜142.20円、
ドル円が74.20〜80.20円。