貿易相手国は中国経済の「ハードランディング」を懸念=IMF報告書

国際通貨基金IMF)は21日、中国に関する報告書を発表し、
中国の経済力の高まりは世界的に経済ショックを与える力も
高まっていることを意味しており、同国の主要貿易相手国は、
中国経済の「ハードランディング」が世界中にダメージを
広げるリスクを懸念しているとの見解を示した。

リポートはその上で、人民元の一段と急速な上昇を
容認することが世界の安定にとって重要と指摘している。

ただ、人民元が上昇するだけでは世界への恩恵は限られており、
家計や企業の貯蓄を低減させる措置を中心に、内需を促進する
政策へのシフトが伴わなければならないとの考えも示した。

IMFが主要貿易相手国である米国、欧州、日本に対し、
中国の国内政策への懸念について質問したところ、
中国が急速な成長を持続できるかどうかが一番の問題だった。

報告書は「中国の(景気)過熱がコモディティー価格に
圧力を加え、短期資本を呼び込むことが懸念される」と指摘。

貿易相手国は、中国で高水準の投資が続いていることが
過剰な生産能力を生み出す可能性についても懸念しており、
先進国の需要見通しが不透明なことを考慮すると、
「ハードランディングが中国以外にも
影響するリスクがある」と分析している。

中国の国内政策が世界にどのようなスピルオーバー(波及効果)を
及ぼすかを分析したIMFの報告書は今回が初めて。