関西電、昨夏並みの猛暑なら8月は140万kw不足見通し

関西電力八木誠社長は20日大阪市内での会見で、
8月の管内電力供給状況について、昨夏並みの猛暑を想定した場合、
約140万キロワット不足するとの見通しを明らかにした。

8月の管内での電力供給予備率は
マイナス6.2%、9月は同3.3%の見通し。

今後も供給力の確保や顧客への節電要請に最大限努める一方で、
中長期の電力不足懸念については「現実的に1年で
新しい電力プラントを立ち上げるのは無理。
(定期点検中の原発の)再稼働をしないと、電力の安定的な
供給は非常に難しい」との認識を示した。

関西電は昨年並みの猛暑を仮定した8月の管内の最大電力需要を
3138万キロワット、最低限の電力予備率3%を加味した場合の
同月の電力供給力を2857万キロワットと予想する。

関西電によると、7月から実施している管内全顧客に対する
節電要請について、現時点で節電効果が
約140万キロワット分に上っている。

このうち、過半は大口需要家の
ピークシフトなどに起因しているとしている。

八木社長は、蓄圧タンクの異常で手動停止した
大飯原子力発電所1号機のトラブルについて陳謝した上で、
電力需給ギャップの改善に向け、今後エアコンの使用が
本格化する小口需要家をはじめ、大口需要家に対しても
「生産に影響が出ない範囲で引き続き節電をお願いしていく」と話した。

ただ、電車の運行本数を減らすことで電力需要を抑制する
「間引き運転」を関西地域の鉄道各社に要請することを巡っては、
「電力需要をさらに見極めた上でお願いする」と述べるにとどめた。

供給力確保の面では、大飯原発1号機の手動停止に加え、
応援融通を見込んでいた中国電力が、
三隅火力発電所の運転を7月18日に停止。

八木社長は「三隅発電所がある程度復旧すれば、
(電力融通を中国電に)お願いできる。それ以外に、
供給力積み増しは現実的に難しい」との見方を示した。

さらに「中期的な電力の安定供給を確保するには、
定期検査中の原発の再稼働が大事」とした上で、
再稼働ができなければ「冬も厳しい」と、
原発稼働の重要性を改めて強調した。