ギリシャのデフォルト見越した取引、損失被る=ECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は、ギリシャ
デフォルト(債務不履行)に陥ると見越して取引を行うことは、
確実に損失を被ることにつながるとの見方を示した。

ECBが27日に公開した仏誌「ルポワン」による
トリシェ総裁とのインタビュー原稿によると、同総裁は
「そうした投機は、21日の決定を踏まえると、
明らかに損失を被ることにつながる」と述べた。

ユーロ圏は21日の首脳会議でギリシャに対する
1090億ユーロの第2次支援について合意している。

同総裁はこれについて、ユーロ圏の
金融安定のために重要な決定だったと述べた。

その上で「何にもまして重要かつ絶対不可欠なのは、
ギリシャが経済均衡を取り戻し、財政立て直しや
競争力の回復に向けた措置をできるだけ迅速かつ
厳格に実施することだ」とし、
ギリシャに一段の取り組みを促した。

また当局者がギリシャのユーロ離脱を検討したことは
「1分たりとも」なかったと言明した。

世界各国の債務状況をめぐっては、ユーロ圏の状況は、
日米両国に比べて「はるかに良い」と発言。

だがユーロ圏は「ガバナンス強化に向けて強力な措置を
講じる必要がある」との考えを示した。

格付け会社については「明らかに寡占状態」にあるとの認識を示し、
「市場の組織としては最適ではないことは明白」と述べた。

「これは、景気回復局面ではバブル形成を促し、景気低迷局面では
バブル崩壊を促す構造になっている。この欠陥に対処すべき」とした。