超低金利維持に反対の米連銀総裁ら、理由めぐり意見割れる

米連邦準備理事会(FRB)の複数の当局者は17日、
前週の連邦公開市場委員会FOMC)での2年間の
金利維持決定に対し、異なった反対理由を展開した。

FRB内での反対意見が統一されている
わけではないことが明らかになった。

ダラス地区連銀のフィッシャー総裁はこの日、
FOMC後初めてとなる講演で、金融緩和が
物価の大幅上昇につながることを
主要懸念としているわけではないと発言。

「米経済の足かせとなっているのは金融政策ではなく、
不適切な財政運営だ」と指摘。

また、行動すべきなのはFRBではなく議会で、
金融政策は政治家が行うべきことの代替策とは
なり得ないとの考えを示した。  

またフィラデルフィア地区連銀のプロッサー総裁は、
FOMCで反対票を投じた理由について、FRBのインフレ対応を
時間軸に結びつけたくなかったと説明した。

同総裁は、ブルームバーグ・ラジオのインタビューで、
2年間低金利を維持するとの約束は「不適切な時期での
不適切な政策」との見方を示し、「政策は日程に
左右されるべきではなく、経済によって決定されるべきだ」と述べた。

インフレ期待は引き続き抑制された状態にあるものの、
FRBは突然の上方シフトに備える必要があると主張。

「個人的には2013年半ば以前に金利を引き上げる必要が
あると考える」とし、「正確な時期は分からないが、
少なくとも私の考えでは、2年後である公算は小さい」と述べた。

FOMCでの決定に3人が
反対票を投じるのは1992年以来初めて。

ただ反対理由は様々で、統一された
反対の流れとはならなかった。

もう一人の反対派であるミネアポリス地区連銀のコチャラコタ総裁は、
12日に異なる反対理由を明らかにし、米経済はFRB国債買い入れ
始めた昨年11月から改善しており、さらなる緩和策は必要ないとの考えを示した。

またセントルイス地区連銀のブラード総裁も、17日発表された
インタビューで、今年投票権があったら自分も反対票を投じていたと発言。

2年間の低金利維持を約束することは、今後の経済指標に対応する
柔軟性を限定し、デフレ期待の醸成につながりかねないとの見方を示した。

また、FRBは議会の行動の欠如を補おうとすべきではないという
フィッシャー・ダラス地区連銀総裁の考えに同意し、「FRB内部でも
外部でも、何らかの理由で財政政策がうまくいかなくなった場合、
FRBが行動すべきと考えるのは大きな間違いだ」と述べた。