中尾財務官と中曽日銀理事が緊急会談、円高で臨戦態勢継続

財務省の中尾武彦財務官は18日、日銀本店で午前11時から
日銀の中曽宏理事(国際担当)と会談し、
円高をはじめとする最近の金融市場動向について
緊急の意見交換を行った。

政府・日銀関係者によると、歴史的な水準で円高が長期化して
日本経済に与える懸念が強まるなか、欧米の経済・財政不安を背景に
ドルやユーロの下落見通しが依然として払しょくできず、
当面円高圧力の強い状態が継続するとの見解で一致。

急激な変動に備え双方が
臨戦態勢を継続する姿勢を確認した。

ただ特定の金融政策についての
議論はなかったとしている。

会談終了後、中尾財務官は会談の狙いを「欧米の問題含めて
世界の市場の状況、為替の状況などを議論して意思疎通を図った」と説明。

日本も東日本大震災の影響で厳しい状況が続く中
「逃避先として、円にどんどん資金が流入してくるのは
おかしいとの認識で(日銀と)一致した」と述べた。

為替介入には言及を避けた。

同日夕、中曽日銀理事はロイターに対して、「為替市場を
常時注視していき、24時間臨戦態勢で
臨んでいくことを確認した」と述べた。

政府・日銀は昨年8月12日にも、当時の玉木林太郎財務官が
中曽日銀理事との緊急会談を開催し、同時に外為市場で、
取引を前提にドル/円のレート提示を金融機関に求める
「レートチェック」を実施。

その後に野田佳彦財務相が緊急会見を開き、進行する円高
「適切に対応する」と懸念を表明し、白川方明日銀総裁も同日、
為替・株式市場の大きな変動や国内経済への影響を
「注意深くみていく」との談話を公表した。

その1カ月後の9月15日には、2兆1249億円の
円売り/ドル買い介入に踏み切っている。