政治家からの批判にFRBは「注意払わず」=ダラス地区連銀総裁

米ダラス地区連銀のフィッシャー総裁は18日、
大統領選に名乗りを上げている一部政治家から
連邦準備理事会(FRB)の金融政策運営方法に
対する批判が出ていることについて、FRB当局者は
「注意を払っていない」と述べた。

同総裁は、CNBCテレビとのインタビューで
「(FRBの)意思決定に及ぼす影響という点に関して言えば、
バーナンキ議長であれ、他のメンバーであれ、
それには注意を払っていない」と語った。

米大統領選の指名争いで共和党の有力候補に
浮上しているテキサス州のペリー知事は、バーナンキ議長が
「今から来年11月の選挙までの間にさらに紙幣を増刷すれば
背信行為』とみなす」と述べたことで、
関係者の間で波紋を呼んでいた。

政府から独立している中央銀行が選挙キャンペーンの
議論に巻き込まれることをFRB当局者は懸念しているか、
との質問に対しては、争いを超越したスタンスを
維持することが最善だと指摘。

「いかなる形であれ、われわれは批判に反応したいという
誘惑を拒むことがとても重要だ。歴史を振り返れば、
政治家が中央銀行の機能を支配すれば、アルゼンチンや
ワイマール共和国、国家主義の中国のようになってしまう」と述べた。

米経済に関しては、回復が鈍く、雇用創出は不十分だとしながらも、
リセッション(景気後退)に陥ることはないとの認識を表明。

「米経済には依然としてポジティブなモメンタムがあり、
第3・四半期はポジティブな動きになると思う」と述べた。

また、債務上限引き上げをめぐる議会の「喜劇」は
新規投資を考える企業の間に深刻な不透明感をもたらし、
成長見通しを著しく損なった、と批判した。