仏独、救済コスト拡大で「トリプルA」格付け失う可能性=英ヘッジファンド

英クレジットヘッジファンドのケルン・キャピタルは、
ユーロ圏周辺国への救済コストによる債務拡大により、
フランスは「トリプルA」格付けを失う可能性が高く、
ドイツも格下げの恐れがあるとの見方を示した。

同社の首席投資ストラテジスト、グラハム・ニールセン氏は、
ユーロ圏のメカニズムには非常に深刻な欠陥があると指摘し、
高水準の債務、弱い成長、域内の格差、欧州中央銀行(ECB)が
インフレ期待に焦点を当てていることなどを挙げた。

その上でフランスは欧州金融安定ファシリティー(EFSF)に
対する負担増によって格下げされる公算が大きいと述べた。

また、フランスの銀行は、イタリアへのエクスポージャー
欧州の他の銀行に比べて際立って大きいほか、同国の債務や
成長の状況も思わしくないとし、経済状態を理由とした
格下げの可能性もあるとした。

同氏はドイツについても
格下げされやすいとの見方を示した。

「ドイツは、EFSFの規模が拡大されれば、かなり簡単に
格下げされる可能性がある。フランスとドイツは、
債務の対国内総生産GDP)比率が120〜125%になると
みられる。これは良くない。「AAA」にふさわしくない」と指摘した。

同氏はEFSFの規模が拡大されていないのは
これが理由との見方を示した。