株安は自国通貨買いを誘う

今週の為替相場は、前週末のNY市場で
一時75.95円と円が最高値を更新しましたが、
この円高に対し、政府・日銀が介入を
行うのか否か、注目したいと思います。

このところの為替相場は、円は最高値付近で
小動きとなっていましたが、これは株安が
与えた影響が少なくないと考えます。

これまでは、米国経済の不透明感や米国債の格下げなど、
弱い材料が出ると、例えばドルは売られる動きを見せていました。

しかし、世界の株安が継続する中、株価の下げが
国内市場に与える影響が懸念されます。

通常、景気の悪化などは、
当該通貨の売りという形になります。

ただ、これだけ株価が売られた場合には、
国内に資金を還流する必要が出てきます。

あのブラックマンデーの時もそうでしたが、
株価が急落した場合に、その国の通貨が
株安に連動して下落するのではありません。

当初は、国内に資金を還流させるために、
その国の通貨は買われるという動きを
見せたことがありました。

今回、欧米の株価は何回か
大幅な下落を続けています。

当初は、株安=通貨売りという動きが見られましたが、
さすがにここまで株価が下落すると、国内の金融機関、
機関投資家は資金の寒流を図る動きに出てきているようです。

こうした動きが足元での株安=通貨買いに繋がっているようです。

とはいえ、市場参加者から見ると、
株価が急落した通貨は買えません。

今は、テクニカルな要因で買われているだけと
見ているようで、買いが一巡すれば、
その通貨は急落するという思いもあるようです。

そんな思いが絡まって、今の動きが
今一つ緩慢な相場となっているようです。

株安が為替相場にダイレクトに与える流れは
そこまで来ていると見ています。

引き続き、欧米発の材料を
見極めていきたいと考えています。

しかし、円はこうした隙間を抜けて、
一気に最高値を更新しました。

さすがに、最高値を更新すると、介入警戒感や
高値警戒感から、円は小戻される展開を見せましたが、
実際に介入が入るか否かで、
流れは大きく変わると見ています。

一度、最高値を更新すると、次は更なる高値を
目指す流れが出てくることが予想され、
協調姿勢の強弱で、一気に円高
進む可能性があると見ています。

予想レンジは、
ドル円が72.80〜78.80円、
ユーロ円が106.80〜112.80円、
英ポンド円が122.80〜128.80円、
ドル円が74.80〜80.80円。