中国の王副首相、銀行に小企業・農業向け融資強化を要請

中国の王岐山副首相は、同国の「穏健な」金融政策を再確認した上で、
国内銀行は小規模企業と農業セクター向け融資を増やすべきとの認識を示した。

22日付の中国証券報が、王副首相が甘粛省
週末に訪問した際の発言として伝えた。

欧米のソブリン債務問題やリセッション(景気後退)への警戒感から、
世界の市場は最近、激しく動揺している。

こうした中でも、中国は今のところ
金融政策スタンスを据え置いている。

しかし、中国は今年前半は毎月、銀行の預金準備率を引き上げていたが、
その後は引き上げを行っていないなど、引き締めペースを落としている兆候がある。

中国証券報によると、副首相は「現在の非常に複雑で
不透明な世界経済状況に直面するなか、われわれが
自らの職務をきちんと果たすことが重要だ」と発言。

「われわれは、安定的かつ急速な経済成長の維持、
経済構造の調整、インフレ期待の管理のそれぞれの関係を
慎重に扱わなければならない」と語った。

国内銀行に対しては、小規模企業や農業セクターの妥当な
融資需要に応えるよう求め、無分別な融資拡大はしないよう釘を刺した。

副首相はまた、中国当局は民間融資市場と銀行の資産運用業務を
注視する必要があると指摘した。

一方、中国証券報に掲載された別の記事では、
中国国家発展改革委員会(NDRC)研究員のWangJian氏が、
中国は経済成長促進のため、タイミングを見計らって
金融政策を変更すべきと主張。

「中国が今すべきことは、景気を冷やすことではなく、
刺激することだ」との見方を示した。

さもなければ、海外からの需要減速や国内投資の鈍化により、
中国は年8%の経済成長を達成するどころか、7%も厳しくなると警告。

また、中小企業の倒産が増え、失業が増加、
社会不安が高まると述べた。

同氏は「あらゆる点から見て、中国は
金融政策の引き締めを止めるべき」と述べた。

インフレ率が加速する可能性はあるが、中国は一段の引き締めではなく、
低所得層への補助金増額で対処すべきだとしている。

同氏は「長期的には、中国は都市化を加速しつつ、
富の配分改善に向けた改革に取り組むべきだ。
こうした方法でのみ、中国は内需を拡大し、
世界的な危機にもしっかりと立ち向かうことができる」と述べた。