ハンガリー経済は「深刻な危機」、赤字削減が急務=オルバン首相

ハンガリーのオルバン首相は29日、同国はユーロ圏の債務問題に
伴うリスクにより「深刻な危機」に直面しているとして、
財政赤字削減を急ぐ必要があると指摘。

さもなくば、ギリシャのように
経済的主権を失う可能性があると警告した。

ハンガリーは1年前に国際通貨基金IMF)からの融資を返済し、
経済再建を目指してきたが、4000億フォリント(21億ドル)相当の
所得減税も消費を押し上げる効果は現れていない。

むしろ、スイスフラン相場の上昇がフラン建ての住宅ローンを
抱える多くのハンガリー国民にとって大きな負担となっているほか、
輸出も減速している。

オルガン首相は、大使らとの会合で「ハンガリーは過去3カ月間で
深刻な危機的状況に陥った。ユーロ圏の危機はハンガリーにとって、
重大で差し迫った脅威となっている。率直に、
さほど感情を交えずに言えば、
ハンガリーの主権は危機にさらされている」と述べ、
秋にはギリシャのような状況に陥る恐れがあるとの認識を示した。

一方、オルバン政権幹部は28日のインタビューで、
2011年は予想を下回る経済成長や金利を高水準に維持する
必要性により、800〜1000億フォリントの赤字を
穴埋めする計画を明らかにした。

ハンガリーの成長率は第2・四半期に年率わずか1.5%に落ち込み、
政府は財政赤字の対国内総生産GDP)比率を欧州連合EU)と
約束した2.94%に維持するため、さらなる予算削減を検討している。