IMFが米・ユーロ圏成長予想を下方修正、中銀に緩和準備促す=ANSA

国際通貨基金IMF)は、2011年・2012年の米国及び
ユーロ圏の成長見通しを下方修正するとともに、
米連邦準備理事会(FRB)、欧州中央銀行(ECB)に対し、
金融緩和への準備を整えるよう促した。

イタリアのANSA通信が29日、来月発表予定の
IMF世界経済見通し草案を基に報じた。  

ANSAによると、IMFは2011年の米国内総生産GDP)伸び率見通しを
従来の2.5%から1.6%に、2012年の見通しを2.7%から2.0%に、
それぞれ下方修正した。

その上で、米成長へのリスクが高まっているとして、
FRBは「景気下支えに向け、新たな非伝統的措置を
講じる用意を整えるべき」と主張した。

IMFはユーロ圏のGDP伸び率についても、
2011年見通しを2.0%から1.9%に、2012年見通しを1.7%から1.4%に
それぞれ引き下げた。

ECBに対しては、ユーロ圏の成長が失速していることに加え、
インフレリスクが後退しているとして、追加利上げを回避しつつ、
成長の下方リスクが継続した場合には、金融政策を緩和させる余地を
確保すべきだと主張した。

その上で「ソブリン債市場への
積極的な介入を継続すべき」とした。

IMFは2011年の世界経済見通しも6月時点の予想である
4.3%から4.2%に、2012年は4.5%から4.3%にそれぞれ引き下げた。

ドイツの成長見通しについては、2011年は3.2%に据え置いたが、
2012年は2.0%から1.6%に引き下げた。

フランスは、2011年が1.8%、2012年が1.6%と、
ともに0.3%ポイント下方修正された。

イタリアは2011年が1.0%から0.8%に、
2012年が1.3%から0.7%にそれぞれ引き下げられた。

スペインは2011年が0.7%、2012年が1.3%。
ともに従来予想の0.8%、1.6%から下方修正された。