米財政赤字削減計画、実施の可能性「極めて低い」=ムーディーズ

格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは26日、
オバマ米大統領が打ち出した財政赤字削減計画について、
米国の格付けにとりプラス要因ではあるものの、
計画が実施される可能性は「極めて低い」との認識を示した。

オバマ大統領はこれまで数々の財政赤字削減策を提示、
赤字削減に取り組む姿勢を示している。

ただムーディーズのアナリスト、スティーブン・ヘス氏は報告書で、
民主・共和両党間の隔たりが大きいことから「これまでに示された
計画のどれ1つをとっても導入されない」との見方を示した。

同氏は「これらすべての削減策は、安定した経済成長に
裏付けられた場合、財政赤字を向こう10年間にわたり
緩やかに減少させる可能性がある」と予想。

ただ「米経済成長率は少なくとも2012年まで潜在成長率を
大幅に下回り、すべての(財政赤字削減)計画の中で示されている
見通しを下回ると見ている」とした。

ムーディーズの現在の米ソブリン格付けは「トリプルA」。
見通しは「ネガティブ」としている。