内閣府が円高対応の一部を前倒し実施、海外M&A促進など

内閣府は27日、海外企業の合併・買収(M&A)の促進や
円高対応での雇用助成金の要件緩和などを盛り込んだ
円高への総合的対応策について、第3次補正予算の成立を
待たず実行できるものから着手・実施すると発表した。

円高進行と欧米経済の停滞懸念による下振れリスクが
急速に高まってきていることを踏まえた措置。

古川元久経済財政担当相は同日の閣議後会見で
「とにかくできることは迅速に、今の時点で
調整のついたものを実施する。引き続き、
他にやれるものはないか探っていく」と述べた。

外為特会から国際協力銀行JBIC)への融資を活用した
海外M&Aや資源確保などの促進については、
邦銀へのクレジットラインの早期設定を含め、早急に実行。

全国銀行協会に対し、枠組みの活用を
金融機関に周知するよう要請する。
経済団体にも、枠組みの活用を働きかける。

また、急速な円高で輸出が停滞した場合でも
雇用の削減によって技能や技術が失われないよう、
雇用調整助成金の支給要件を緩和する。

従来は、最近3カ月の生産量・売上高がその直前の3カ月
または前年同期に比べ5%以上減少したことを要件としていたが、
最近1カ月の生産量・売上高について、その直前の1カ月
または前年同月と比べ5%減少したか減少の見込みがあれば
対象になるようにする。
10月上旬から実施する。

9月末に期限切れとなる中小企業へのセーフティネット保証は、
2012年3月末まで期間を延長する。

健康・環境関連などの成長分野の事業者が他の産業から
労働者を受け入れる場合、教育・訓練施設における
受講費などの助成に加え、仕事に従事しながら
訓練する場合にも賃金の一部を助成をする。
10月中に実施。

一方、円高メリットについては、消費者の実感や購買行動への
影響について緊急調査を実施し、年内に公表する。