景気減速の長期化防止、当局の危機対応能力が重要=ビーニ・スマギECB専務理事

欧州中央銀行(ECB)のビーニ・スマギ専務理事は、
景気減速が長期化するのを食い止めるためには、
ソブリン債務危機に対処する政策当局者の能力が
重要な役割を果たすとの考えを示した。
マークイット・マガジンとのインタビューで語った。

同専務理事は「問題は、現在の景気減速が一時的なものか、
それとも長期にわたる成長の停滞につながるかどうかという点だ」
とした上で、「それは少なくとも部分的には、消費者や企業の信頼感を
間違いなく圧迫している不安定さや金融の緊張に取り組む政策当局者の
能力にかかっている」と述べた。

また、現在の状況は、リセッション(景気後退)が急激に進み、
「ある程度のデフレリスク」もあった2009年ほど悪くはない、
との認識を示した。

さらに、11月にドラギ氏がECB総裁に就任すれば、
ECBのスタイルやコミュニケーション手法に
変化が生まれるだろうが、本質的には
これまでと変わりはない、と述べた。

また同専務理事は、ギリシャがデフォルト(債務不履行)に陥った場合、
現代の先進経済国の新たな先例を作ることになり、
その影響は全諸国に及ぶと警告した。

ユーロ圏と域内の銀行システムはギリシャのデフォルトに
耐えられると想定できるか、との質問に同専務理事は
リーマン・ブラザーズの問題の前にも同じような見解が示された。
従ってそのように(デフォルトに耐えられると)言う人々は、
連鎖がどのように伝播するか全く分かっていない」と答えた。