FRB議長「インフレが大幅低下すれば対応必要」、住宅政策求める

バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長は28日、
インフレやインフレ期待が大幅に低下した場合、
FRBは一段の金融緩和を行う必要がある、との認識を示した。

議長は講演後の質疑応答で、最近の市場における
インフレ期待の低下についての質問に対し、
インフレ動向を「非常に注意深く監視する必要がある」とし、
「インフレやインフレ期待が低すぎる水準に下がれば、
デフレ回避に向け対応が必要だ」と語った。

米10年債とインフレ連動債の利回りスプレッドは
先週1.7%に縮小し2010年9月以来の低水準となった。
その後スプレッドは若干拡大し1.86%となっている。

議長は「景気回復と長期的成長に関して、
依然多くの問題を抱えている」と述べた。

政府に対して住宅市場支援策を求め、「住宅市場の回復を
促進する一定の力をもった住宅政策は、明らかにかなり有益で、
FRBの金融政策を一段と効果的にし、景気回復を
より強固に推進するだろう」と語った。

米連邦住宅抵当金庫(ファニーメイ)と
米連邦住宅貸付抵当公社(フレディマック)については、
住宅ローン市場は依然低迷しており、政府系金融機関GSE)を
民営化する状況ではないとの認識を示した。

議長は講演で、新興市場の成長について、内需を抑制して
貿易黒字を生み出しても、経済成長という
目標の達成にはつながらないと述べた。
米国の経済・金融政策の見通しには言及しなかった。