欧州不安、円買いの材料に

今週の為替相場は、
引き続き欧州情勢が
大きな材料になると思います。

欧州首脳会議での結論が注目されていますが、
どう考えても明確な結論は出ないと思います。

結局、ギリシャ危機を乗り越えるには、
ギリシャがユーロ圏から
離脱する以外にはないと考えます。

ユーロ圏は再編して、やり直すことが
危機の伝播を防ぐ、唯一の道ではないか、
そんな見方をしています。

しかし、ギリシャ国債を大量に購入している
欧州の金融機関の経営は厳しい状態が続きます。

金融機関への影響は、欧州だけにとどまらず、
北米、日本はもちろん、新興市場国にもありそうです。

この中、ギリシャがユーロ圏から離脱しても、
ユーロ圏を再編しても、ギリシャ国債
購入した金融機関のリスク回避は出来ないわけです。

損失を抱え続けるわけで、
公的資金の注入は避けられないと見ています。

そこで淘汰される金融機関も出てくるわけです。

そんな状況の中で、ユーロが上昇する絵は描けません。

これまで、ユーロの拡大を謳歌してきた分、
その代償を払わないといけないと考えています。

一方、ドル円は、欧州危機の影響を大きく受けています。

前週末には、欧州不安を材料に、円が対ドルで
上値を切り上げ、75.78円と最高値を更新しました。

対ユーロでは、ドルも円も同じ方向で推移し、
ドル対円で見た場合、優劣はつけにくいと思います。

どちらかと言うと、ドルが弱味を抱えているために、
何か材料が出ると、ドルが売られるという展開が想定されます。

円が対ドルでの最高値圏でステイしているだけに、
最高値更新を絶えず意識する動きが続くものと見ています。

11月に入ると、利益送金や利益確定の動きで、
ドル買い、ドル売りの流れが出てくると思うのですが、
今はユーロの動向を睨みながら、何か材料が出れば、
円買いが強まる可能性があると見ています。

予想レンジは、
ドル円が73.80〜78.80、
ユーロ円が101.80〜107.80円、
英ボンド円が113.80〜122.80円、
ドル円が73.80〜82.80円。