外貨建て住宅ローン、時間かけて消滅させる方針=ハンガリー首相

ハンガリーのオルバン首相は24日の議会で、
同国における外貨建て住宅ローンについて、
時間をかけて消滅させていく方針を表明した。

ハンガリーではスイスフラン建ての住宅ローン借り入れが
数兆フォリント規模まで膨らんでいるが、
スイスフラン相場の急騰がハンガリー経済に
悪影響を及ぼしたことを受けて、政府が
外貨建てローンの削減策を進めている。

オルバン首相は「はっきりと言おう。どのハンガリーの家族も
フォリント建てでないローンの担保に彼らの住宅を提供する
必要がない、というのが目標だ」と発言。

その上でハンガリーの金融システムは一気に
外貨建てローンを一掃するのには耐えられないため、
過去1年半もかけて新たな措置を講じてきたのだと主張した。

ハンガリー政府は先月、外貨建て住宅ローンの借り手に対して
実勢より有利なレートでの返済を認める救済措置を実施した。

オルバン首相は、この措置で外国銀行は
既に国外に還流させた利益の一部の返還を迫られており、
ある銀行からは約7億ユーロを取り戻したと表明。
今後もさらに利益返還を求めていく方針を示した。

ただ、銀行側は借り手救済措置のせいで多額の損失を
計上する見通しで、アナリストは融資が抑制されて
ハンガリー経済の減速につながりかねないと懸念している。

一方で首相は、銀行規制見直しの機が熟しているとして、
商業銀行は欧州全体でもハンガリー国内でも、
預金者保護のために投資銀行から
分離すべきだとの考えを明らかにした。

また首相は、ユーロ圏の債務危機の波及を防ぐ上で、
公的債務の削減努力を倍増させるべきだと強調した。