中小企業への与信拡大、政府が銀行にインセンティブを=英中銀総裁

イングランド銀行のキング総裁は25日、
中小企業への貸し出しを増やすためには、
政府が銀行に対してインセンティブ(奨励)を
与えなければならないとの認識を示し、
今月の量的緩和拡大で英国債のみを
買い入れ対象としたことを擁護した。

英中銀は今月開催した金融政策委員会で、
資産買い入れプログラムの規模を
750億ポンド上積みし、
2750億ポンドとすることを決定した。

その際、買い入れの対象は英国債に限るとし、
それ以外の資産は対象外としたが、この点について、
一部の議員の間では異論も出ている。

これに対して、キング総裁はきょうの議会証言で、
中銀は個別のセクターや企業への貸し付けを
決定すべきではない、と述べた上で、
中小企業への与信が滞っている問題には、
政府が対応すべき、と主張した。

総裁は「中小企業への融資を増やすよう銀行に
促すための措置は、政府が行うべきものであって、
われわれ(中銀)ではない」としている。

また、総裁は、インフレ率が高止まりするなかで、
量的緩和の拡大を決めたことについて「インフレ率が
先行き、ターゲットを下回る現実的な可能性が
あることを踏まえた」と説明した。

9月の英消費者物価指数(CPI)は
前年同月比5.2%上昇と、3年ぶりの高水準となった。