債務危機、周辺国から中核国に拡大=シュタルクECB専務理事

欧州中央銀行(ECB)のシュタルク専務理事は21日、
ユーロ圏ソブリン債危機は周辺国から中核国に拡大しているものの、
ユーロ圏の弱い成長は一時的となる公算が大きいとの見解を示した。

シュタルク専務理事は当地での講演で「ソブリン債危機は再び悪化し、
いわゆる中核国を含む他国へと広がりつつある。これは新たな現象だ」とし、
ソブリン債危機は欧州にのみ限定されておらず、大半の先進国は
深刻な公的債務問題に直面している」と語った。

専務理事はまた、経済指標が過去2カ月で悪化し、
第4・四半期にユーロ圏の経済成長に一段の悪影響を
もたらす可能性を示唆しているとしつつも、
「われわれのスタッフは、最新の情報をもとに、
長期的な経済活動の減速は予想していない。
しかし、ソフトパッチ(一時的な軟化局面)は
予想される」と述べた。

その上で「リセッション(景気後退)に陥ると
自ら言い聞かせることは避けるべきだ」と述べた。

債務危機は世界に波及しているものの、
ユーロ圏の脆弱性が米・英の足かせにはなっていないとし、
「すべての国が特定の問題を抱えていると考える」と述べた。

また、インフレ率は今後2年で伸びが
鈍化する公算が大きいとの見通しを示した。