MFグローバル、所在不明の顧客資金は約12億ドル=管財人

経営破たんした金融会社MFグローバルの破産管財人は21日、
所在不明の顧客資金は約12億ドルとの試算を示した。

当初当局が示した見積もり(6億ドル)の約2倍となる。

MFグローバルは10月31日に
連邦破産法第11条適用を申請した。

その後、米商品先物取引委員会(CFTC)など当局が
調査に乗り出し、MFグローバルが自己資金と顧客資金を
きちんと区別して管理していなかったことが判明。

破産申請から3週間が経つが、把握できた
顧客資金は全体の約60%にとどまる。

管財人は、顧客に返還できる資金を
約16億ドル確保していることを明らかにした。

予定通り12月初めまでに60%分を顧客に返還すれば、
約16億ドルを使い切ることになるという。

不明資金の額が一気に跳ね上がったことに、
顧客グループの弁護人は、
当局の調査に疑問を抱かせると指摘。

「CFTCは3週間前に何を把握していたのか。
現在はどうなのか。3週間で(不明資金)金額が
こんなに変わったとしたら、それはどこに行ったのか。
(当局は)以前、何を調べていたのか」と不満を示した。

管財人の示した試算がCFTCの試算を大きく上回ったことについて、
CFTCの委員は直接的な見解を示すことは控え「われわれは正確でない
可能性も考え、最初から可能な限り数字を出さないよう努めた。
不明額は最終結果が出るまで断言できない」と述べた。

MFグローバルの大半の顧客決済を手がけていた
CMEグループはコメントを差し控えた。

管財人の発表から数時間後、MFグループは
主要債権銀行の一つ、JPモルガン・チェースとともに
破産裁判所に別途、破産管財人の選定を申し立てた。

MFグローバルの広報担当者は、
この件についてコメントを差し控えた。