東証と大証、13年1月に統合持株会社「日本取引所グループ」設立へ

東京証券取引所大阪証券取引所は22日、
2013年1月1日に経営統合すると発表した。

東証大証株を1株48万円で公開買い付け(TOB)して
子会社化した後、大証を存続会社として合併し、
持ち株会社日本取引所グループ」を設立する。

東証株1株に対し、大証株0.2019株を割り当てる。

統合会社のCEO(最高経営責任者)には東証社長が、
COO(最高執行責任者)には大証社長が就任する。

世界の取引所間での競争激化を受け、システム投資の
効率化などを通じた競争力強化を図る。

両取引所は統合を通じ、利用者利便の向上や営業力強化、
魅力的な取引所になることでの国内外の新規株式公開(IPO)の増加、
情報提供サービスの需要拡大など収益面での相乗効果を見込む。

費用面でも、システム統合による開発・運用費用の削減が
見込まれるとし、その相乗効果は年間70億円程度としている。

東証による大証へのTOBは、独占禁止法に関連して
公正取引委員会が排除措置命令を出さないことを前提とする。

実施期間は未定、両社は
TOBの成立後、合併契約を締結する。

それぞれ株主総会を招集し、承認を求める。

統合の過程では、大証を分割会社とする吸収分割の
承継会社として大証の完全子会社「大証M」を新たに設立する。

統合持株会社は、合併後に子会社を4組織に再編する。

現物株式の市場運営会社を東証とし、
デリバティブ市場の運営会社を大証Mとする。

上場審査などを手掛ける自主規制法人東京証券取引所自主規制法人
清算機関を日本証券クリアリング機構とする企業グループを形成する。

両社の社長を共同委員長とする統合準備委員会を
設置して、統合に向けた準備を進める。

東証大証の統合をめぐっては3月、両社が
協議入りを検討していることが明らかになった。

大証は当初、3カ月以内と短期間のうちに
統合の方向性を見出す意向だった。

一方、東証は自社のIPOを重視する姿勢を見せ、
両社の考え方には隔たりがあった。

統合比率を算定するにあたって、株式を上場していない
東証企業価値の算定をめぐる協議が焦点となった。

世界ではNYSEユーロネクストとドイツ取引所が
統合に動くなど再編の機運が高まり、危機感を強めた
東証大証の統合協議入りを後押しした。

東証は現物株に強く、大証デリバティブに強い。

このため両社は、統合すれば投資家の利便性が高まり
日本市場の魅力が増すとの考え方を共有し、
日本の市場活性化を図りたい金融庁も両社の協議を後押しした。