ムーディーズがハンガリーを格下げ、「BA1」の投資不適格級に

ムーディーズは24日、ハンガリーの格付けを「BAA3」から
1段階引き下げ、投資不適格級の「BA1」にすると発表した。
格付け見通しは「ネガティブ」を継続した。

ムーディーズは格下げの理由について、財政健全化目標の
達成能力に不透明感が強まっていることや、高水準の債務、
中期的な成長見通しに対する制約要因が強まっているためと説明。

その上で「これらの要素が重なり合い、ハンガリーの財政に
悪影響を及ぼし、ショックを吸収する能力が損なわれる
可能性がある」との見方を示した。

「ネガティブ」の見通しを継続したことについては
「欧州債務危機から生じる恐れのあるリスクへの
対応能力に不透明感があることを考慮した」と説明。

また、構造改革や中期計画の実施に進展がみられず
財政悪化を招く場合は、さらに格下げの可能性があるとした。

ハンガリーは来年、2008年にIMFから受けた融資の一部を
返済するため、47億ユーロの対外債務を借り換える必要がある。

ハンガリーは先週、スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)から
投資適格クラスの格付けを失う可能性があると警告されたことを受け、
通貨フォリントの対ユーロ相場が過去最安値に下落したことから、
国際通貨基金IMF)と欧州連合EU)に支援を要請していた。

ムーディーズによる格下げを受け、フォリントに対する
下げ圧力が再び強まる可能性がある。