円高、看過できない投機的変動には躊躇なく対応=財務相

安住淳財務相は25日午前の閣議後会見で、円高について
「10月31日に大規模介入した後、今の段階で底割れしている
状況ではないので慎重に相場を監視している」とした上で、
「投機的な変動に対して看過できないと判断すれば、
躊躇なく様々な対応をしたい」と述べた。

また、年初来安値を更新するなど下落基調の日本の株安については、
欧州債務問題など外的要因によるもので「残念」と指摘。

政策対応については、3次補正予算の執行により、
内需は十分支えられると見通した。

4次補正予算編成については、
まだ決めていないと述べた。

世界的な市場混乱の原因である欧州債務問題については
「いまや、米国、日本、中国にも影響が出始めている。
世界経済にとって踏ん張りどころにきている」との危機感を表明。

欧州各国に対して「具体的に、どの国がどのスキームで
どれくらいの資金を供給することでファイアーウオールになる
ということを世界に示さなければ、市場の今のトレンドを
変えることは難しい」と述べ、諸施策の早急な具体化を求めた。

日本の株安についても「少し晴れ間が見えた時に欧州から
どす黒い雨雲が日本の空を覆い、今にも雨が降りそうな感じに
なっているのは残念だ」と憂慮した。

ただ、政策対応の必要性については、3次補正予算編成の執行で
「日本の国内企業は内需によって十分支えられる」と指摘。

そのためにも、関連法案の早期成立を期待した。

一部で報じられている4次補正予算編成については
「まだ固めていない」と繰り返した。

報道は「不用額が出てくる可能性が高いという前提による」と述べ、
「単なる憶測だ」と繰り返した。

一方で「結果的にそうなるかもしれない」とも語り、
4次補正予算編成となった場合でも、財源は新規国債発行を
回避し不用額で対応する方向性をにじませた。

社会保障・税一体改革の大綱とりまとめ時期については
「基本は年内」としたが、「会期延長が2週間にもなったら、
物理的に無理だ」とも語り、越年の可能性にも含みを残した。

大綱には、消費税率の引き上げ幅や
時期を明記する方針も明らかにした。

消費税引き上げをめぐっては、与党内で依然として、
反対論が根強いが、安住財務相は「無駄削減はもちろんやるが、
消費税を上げさせていただかない限り年金・医療・介護の
安定性は担保できない。これに答えなければ、逆に経済成長や
国民生活の安定の土台を崩しかねないとの危機感をもっている」と訴えた。