ECBの3年物オペ、銀行の格下げ回避につながらず=S&P幹部

格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)幹部は、
ECBの3年物資金供給オペによって欧州の銀行は貴重な時間を
稼げることになったものの、オペによって銀行の格下げが
回避されるわけではないとの認識を示した。
23日に行われたロイターとの電話インタビューで述べた。

S&Pの金融機関部門マネージング・ディレクターを務める
スコット・ブギー氏は、ECBが21日の3年物オペで
5000億ユーロ近くを供給したことについて、
前向きな一歩だが、銀行の過剰債務問題を
解決するわけではないと指摘。

「オペそのもので銀行の信用格付けに関する
状況が改善することはない」と述べた。

ただ、「銀行が貴重な時間を稼ぐことができるのは確かで、
格付け判断に向けた分析では考慮する」とした。

同氏は「ECBのオペは政府と銀行の間のリスク共有を助長し、
両者の共生関係を深める。また、政府・中銀はどのようにして
こうした関係を解消するのかといった大きな問題を
一層深めるものだ」との見方を示した。

また2012年、とりわけ第1・四半期は
非常に厳しくなるとの見通しを表明。

「イタリアは、特に多額の債務返済を控えており、
正念場を迎える」と述べた。