ECBの週間債券買い入れが急減、3年物オペが圧力軽減

欧州中央銀行(ECB)が23日公表した証券市場プログラム
(SMP)に関する統計によると、ECBは23日までの
1週間に国債買い入れ規模を大きく減少させた。

買い入れ額は1900万ユーロで、
前週の33億6100万ユーロから大きく減少した。
これはSMPを再開した8月以降で最小。

クリスマスの祝日を控えていることに加え、
ECBが21日に実施した初の3年物流動性オペにより、
ユーロ圏債券市場の圧力が一部緩和されたことが背景にある。

同プログラム下での債券保有額は、2010年5月に
プログラムを開始以来、2110億ユーロとなった。
統計は暫定データで、祝日のため前倒しで公表された。

ユーロ圏の流動性が過去最高、ECB3年物オペで
23日の欧米短期金融市場では、
ユーロ圏金融市場の流動性水準が過去最高に達した。

ロイターの算出によると、銀行が保有する
流動性の規模は4830億ユーロに増加。

これまでの最高は、3度にわたるECBの
1年物資金供給オペを背景に2010年半ばにつけた
3500億ユーロで、これを更新した。

欧州中央銀行(ECB)が今週実施した
期間3年物オペの供給資金が銀行に払い込まれたことが背景。

ECBは21日、初の3年物流動性供給オペで
4891億9100万ユーロを供給、銀行は23日、供給資金を受け取った。
これを受け、主要銀行間取引金利が低下した。

3カ月物欧州銀行間取引金利(EURIBOR)は、
1.404%と、前日の1.410%から低下した。

より期間が長いEURIBORも低下、6カ月物が1.662%から
1.658%に、12カ月物も1.995%から1.988%に、それぞれ低下した。

超過流動性の影響を最も受けやすい
1週間物は0.853%、前日は0.861%だった。

ロイターの算出によると、超過流動性
大幅に増加し、4830億ユーロとなった。

3カ月物ユーロLIBORロンドン銀行間取引金利)は、
0.5ベーシスポイント(bp)低下し1.33429%。

一方、3カ月物ドルLIBORは0.57575%に上昇し、
2009年7月初旬以来2年半ぶりの水準に達した。
上昇は11営業日連続、前日は0.57375%だった。

潤沢な流動性を背景に、欧州の主要銀行間貸出金利
低下しているが、ドル建ての銀行間貸出金利
債務危機の先行きをめぐる懸念から、依然として高止まりしている。

ユーロ圏翌日物無担保金利加重平均(EONIA)は
0.509%、前日は0.611%だった。