金融機関は格付け会社への依存減らすべき=中国人民銀行総裁

中国人民銀行中央銀行)の周小川・総裁は25日、
金融機関は格付け会社への依存を引き下げ、
投資の際に独自の判断や分析を用いるべき、
との考えを示した。

周小川・総裁は、格付け機関は過去に世界的な金融危機
可能性を指摘できなかっただけでなく、市場の混乱を拡大させることで
状況を一段と悪化させたと批判。

格付け機関は必ずしも市場参加者よりも賢明というわけではない」
と述べ「大手を中心とした金融機関は今後、独自の格付けシステムに
基づいた判断を行うべき」との見方を示した。

中国はこれまで、大手格付け機関は、複雑な仕組み証券を
安全資産と格付けすることで、2008年から2009年にかけて
起こった金融危機の種をまいた、と批判してきた。

一方、中国の格付け機関は、格付け対象機関との
関係が近すぎると批判されることがある。

重債務に苦しむ地方政府が支援する借り入れ機関に対して
多くの機関が最上級の格付けを付与しているなどの指摘がある。

同総裁は、こうした利益相反を回避するため、人民銀行は、
債券発行体ではなく投資家が格付け料を支払う仕組みを
つくることを検討していると明らかにした。

総裁は「投資家に格付け料の支払いを求めることで
業界で起こり得る利益相反が回避され、格付けのために
支払うという慣習がなくなる」と語った。