外為特会の積立金を3年ぶりに積み増し=政府の2012年度予算案

政府が24日に閣議決定した2012年度予算案で、
外国為替資金特別会計(外為特会)で保有する外国債券から
発生した利子収入などの運用益である剰余金を全額一般会計に
繰り入れず、3年ぶりに特会内に留保して「積立金」に
充てることが26日、わかった。

歴史的な円高が長期化し、外為特会の為替差損が
40兆円規模に拡大する中で、特会の健全性維持を
狙ったものとみられる。
政府筋が明らかにした。

外為特会で発生する
今年度の剰余金見込み額は2.2兆円。

2012年度予算でそのうち2兆円弱を一般会計へ繰り入れる一方、
残額の約2000億円を積立金として特会内に留保する。

外為特会の積立金は今回の2000億円を
合わせて20.8兆円となる見通し。

財務省が外為特会の積立金を増やすのは、2008年度で
発生した剰余金を2009年度決算で1兆円、積み増して以来。

外為特会は、1円の円高進行で
1兆円前後の評価損が生じるとされる。

財務省の試算では、外為特会が抱える評価損は
今年11月末で40兆円超(1ドル=77円で算出)と、
昨年12月末の35兆円(同82円)から拡大した。

外為特会の剰余金をめぐっては、政府の行政刷新会議が行った
事業仕分けを受けて、財務省が昨年12月、財政健全化を集中的に
進める2011年度から2013年度の中期財政フレーム期間中は
「一般会計への全額繰り入れも含めて検討する」方針を表明。

ただ同時に、外為特会の健全性を確保するためとして、
中長期的に積立金を保有外貨資産の30%とする方針も掲げていた。
昨年3月末時点の比率は15%程度。