米大統領、FRB理事にハーバード大教授と元PE幹部を指名

ホワイトハウスは27日、空席となっている連邦準備理事会
FRB)の理事に、米ハーバード大経済学部教授の
ジェレミー・スタイン氏と、プライベートエクイティ(PE)の
元幹部ジェローム・パウエル氏を指名すると発表した。
オバマ大統領が休暇先のハワイで声明を発表した。

パウエル氏はプライベートエクイティ投資会社
カーライル・グループの元パートナー。

ブッシュ(父)政権で財務省の高官を務めた経験もあり、
上院で共和党の同意が得られやすいとの見方が出ている。

現在はワシントンのシンクタンク超党派政策センターで
連邦・地方政府の財政問題を研究している。

スタイン氏はオバマ政権で国家経済会議(NEC)の元メンバーで、
財務長官の顧問を務めた。

企業の投資決定やリスクマネジメントのほか
株価動向などを専門としている。

スタイン、パウエルの両氏は、金融政策に関する
詳細な見解を明らかにしていないが、スタイン氏は
今年執筆した論文で、FRB長期金利引き下げのために
導入した非伝統的な政策を支持する考えを示唆している。

両氏の指名が承認されれば、2006年4月以来初めて、
FRB理事7人の全ポストが埋まることになる。

ブッシュ前大統領が指名したデューク理事の任期は
来年1月末で切れるが、後任が承認されるまで
職務を継続することが可能。

上院銀行委員会のジョンソン委員長(民主)は
今回の指名を歓迎すると表明。

委員長の事務所は「米経済がぜい弱な状態にあり、
欧州債務危機の影響が懸念されるなか、委員長は
金融当局が欠員なく機能することが極めて重要と
認識している」との声明を発表。

「委員長は適切なタイミングで今回の指名人事を
銀行委員会で審議する決意で、近く公聴会の日程を
検討する」としている。