世銀が欧州新興国向け融資を270億ドルに拡充、債務危機支援を強化

世界銀行は25日、ユーロ圏債務危機の影響を強く受けている
東欧・中央アジア諸国向け融資を2012〜2013年に
270億ドルに拡充する方針を示した。
2011年の水準から70億ドル拡大する。

内訳は世銀融資が160億ドル、世銀グループで民間セクターの
投融資を促進する国際金融公社(IFC)による融資が100億ドル。

さらに世銀グループで政治的リスクへの保証提供により
海外直接投資を推進する多国間投資保証機関(MIGA)が
新たに10億ドルを提供する。

世銀融資は前年比40億ドル、
IFCの融資は同20億ドルの増額となる。

世銀は声明で、ユーロ圏の危機は、貿易・金融・海外労働者の
本国への送金などを通じて、欧州の新興経済国に影響し、
経済成長を遅らせていると指摘した。

ゼーリック総裁は「ユーロ圏債務危機が西欧の経済大国に及ぼす
影響に世界の注目が集まる一方で、危機は東欧新興国
とりわけ中・南東部の経済力の弱い国の人々を苦しめている」と述べ、
資金拡充でこれら諸国が債務危機を乗り切るよう支援する意向を示した。

世銀によると、資金は銀行セクターや社会的セーフティネット
強化のほか、民間部門の構造改革に充てられる。