世界経済は急激に減速、一部でデフレリスク台頭の恐れ=IMF

国際通貨基金IMF)は、世界経済は急速に成長の勢いを失っており、
経済に大幅な緩みが生じれば、一部の20カ国・地域(G20)で
「打撃の大きいデフレ」リスクが台頭するとの見解を示した。
先週のG20財務相代理級会合で提示した文書が25日、公表された。

IMFはその中で「成長が予想を下回った場合、
債務水準が高止まりする中で、
大幅な需給ギャップが一部でデフレを招き、
深刻な事態に陥るリスクがある」と指摘した。

2012年には多くの国・地域で回復が失速するが、
「経済崩壊は回避される」との見方を示した。

また需要減退を背景に、多くの商品(コモディティ)価格が下落し、
それが物価へと波及する恐れがあり、デフレリスクを増大させるとした。

IMFは欧州債務危機が世界経済に対する主要リスクとの認識を
示すとともに、欧州は2012年に域内総生産(GDP)の
およそ16%に相当する多額の債務借り換えが必要になると指摘した。

その上で「国債入札の成功には、ユーロ圏の成長及び
財政の持続可能性をめぐる見通しについて、
市場の信頼感が継続的に回復することが必要」とした。

IMFは日米両国についても、信頼ある中期財政再建計画を
策定しなければ、ともに脅威に直面すると警告。

日米の国債入札は、欧州に比べ現時点では魅力的に映る
可能性もあるが、状況が急変することもあり得るため、
日米両国は財政の建て直しに本腰を入れるべきだと主張した。