民主党内で日銀審議委員人事に慎重論、「政策の方向性に相違」

民主党が29日午前に開催した財務金融部門会議では、
政府が日銀の次期審議委員として提案した
BNPパリバ証券経済調査本部長・チーフエコノミスト
河野龍太郎氏を充てる人事案について、追加的な金融緩和に
慎重とされる河野氏の起用は「政策の方向性が違う」
と慎重論が相次いだ。

消費増税にはデフレ脱却が不可欠だとして、党内には
「デフレ脱却目標に逆行する人事」との声もあり、
行方に不透明感が増している。

河野氏の人事は4月4日で任期を迎える
日銀の中村清次審議委員の後任として、
政府が23日に議院運営委員会
両院合同代表者会議へ提示。

それを受けて行われたきょうの部門会議では、出席者から
「消費増税にはデフレ脱却が大きな筋。(河野氏民主党と)
同じ方向を見て提言するかは疑問」との声が多く出たという。

部門会議は否定的な見解が相次いだ協議結果を、
党の政調役員会へ報告する。

部門会議に先立つ28日夕、民主党の有志議員で作る
円高・欧州危機等対応研究会」(会長・小沢鋭仁環境相)は
会合を開き、人事案への対応を協議。

河野氏の選出はデフレ脱却を目指す
党の方針と合致しないとの見解で一致した。

同研究会は今月2日、日銀へ3月の金融政策決定会合
追加緩和を実施するよう求める提言書を提出している。

日銀審議委員は、衆参本会議で同意を得られなければ
白紙となる国会同意人事。現在は政府提案を
各党が協議中で、早ければ来週にも賛否が決まる見通し。