中国、外資系銀行の対外債務枠引き上げ

中国の国家発展改革委員会(NDRC)は29日、
国内で事業を展開する外資系銀行に割り当てている
年次の対外債務枠について、2012年の上限を
240億ドルに引き上げると発表した。
ウェブサイトに声明が掲載された。

対中直接投資が縮小する中、鈍化傾向にある
資本流入を下支えする狙いがある。

外資系銀行は、同国の資本勘定規制から、現地の投融資需要に
見合うだけの資本を供給することが困難な状況にあり、
こうした事情も背景にあるとみられている。

国家外為管理局(SAFE)のデータによると、
新たな対外債務枠は、従来水準から
2倍以上に引き上げられた可能性がある。
NDRCは詳細や比較データなどは明らかにしていない。

NDRCは今回の上限引き上げについて「金融セクターの
開放を促進するとともに、資本の流れにおける
外資系銀行の役割を拡大し、国家の経済発展を
推進する」ことが狙いとしている。

NDRCによると、外資系銀行は海外での人民元の調達も可能だが、
規模、期間、借入先を報告する義務がある。

長期の海外借り入れ枠の設定は、資本勘定を管理する上で
重要な手段になっており、NDRCは中国で事業を展開する
外資系銀行すべてに関して、期間1年以上の
長期借り入れ枠を割り当てている。

NDRCはまた、一部銀行を対象に対外債務に関する
試験プログラムを実施することを明らかにした。

参加行は英HSBCドイツ銀行、米JPモルガン・チェース
シティグループ三井住友銀行、東亜銀行など。

ただプロジェクトの詳細に
ついては明らかにしていない。