BRICS、IMF改革や金融政策で先進国批判
BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの
主要新興5カ国)首脳会議は29日、国際通貨基金(IMF)での
新興国の発言力強化の必要性を訴えるとともに、
先進国の金融政策が世界経済の安定を
脅かしているとして批判した。
BRICS諸国は会合後に発表した共同宣言で「IMF基金の
正当性と効果を確実にするため、改革の大きな動きが必要だ」と指摘。
「IMFの融資能力拡大に向けた継続的な努力は、加盟国全てが
2010年改革を確実に実行するため取り組んでいるとの確信が
ある場合のみ成功する」との考えを示した。
また「先進国が責任あるマクロ経済・財政政策を打ち出すとともに、
世界的な過剰流動性の創出を回避し、成長押し上げと雇用創出に向けた
構造改革を実施することが不可欠だ」と強調。
ブラジルのルセフ大統領は先進国の金融政策について、
貿易面で先進国に多大な優位性をもたらし、その他の国に
とって不当な障害になっていると述べた。
共同宣言ではイラン情勢について、外交的に解決すべきであり、
エスカレートを容認すべきではないとし、イランの
平和的原子力開発の権利を認識しているとの立場も示した。
各国首脳は、BRICS諸国間の貿易におけるドルの役割を
縮小することを目的とした自国通貨建て信用枠の延長で
合意したほか、BRICSやその他新興国が出資・運営する
「南南」開発銀行の設立案について詳細を詰めることで一致した。
開発銀の構想を提案したインドのシン首相は「提案を検討し、
次回首脳会議で報告するよう財務相に指示した」と述べた。