米大統領、ガソリン高に対応し市場での価格操作の罰則強化を提案

オバマ大統領は、石油価格高騰への対応策として、
市場で価格を操作した個人や企業に対する民事・刑事上の
罰則強化を法制化するよう提案した。

議会では民主・共和両党の対立が
続いているため、可決は難しいとみられている。

大統領は会見で「石油買い占めや不足感の醸成により
投機筋が人為的に市場を操作し、短期的利益のために
石油をもてあそぶ状況は見過ごせない」と述べた。

大統領のエネルギー政策がガソリン価格高の要因と
批判する共和党は、今回の方針は政治的な策略に
すぎないと一蹴した。

一方、民主党からは商品先物取引委員会(CFTC)による
投機制限を政府が後押しするなど、一段の対策を求める声がでている。

大統領はまた、現在は市場の値動きに基づき取引所が
設定している証拠金率について、リスクの高い取引を
制限するためCFTCに引き上げる権限を付与するよう求めた。

しかし先物取引所運営で世界最大のCMEグループは、
市場の効率性を損ねると直ちに反論、投機は生産者と
消費者の価格リスクを低減する重要な役割を担っているとし、
投機と操作を混同しないよう警告した。

大統領の提案によると、価格操作への民事上の罰金を
100万ドルから1000万ドルに引き上げ、刑罰も重くする。