強力な金融緩和姿勢で適切対応、デフレ脱却促す=山口日銀副総裁

日銀の山口広秀副総裁は19日、日本商工会議所で講演し、
消費者物価の前年比上昇率1%を目指した強力な
金融緩和政策の推進や、成長基盤強化を支援するための
資金供給などの一連の措置を通じて「日本経済のデフレ脱却と、
物価安定のもとでの持続的な成長の実現に向けた
動きを促していく」と強調。

強力な金融緩和姿勢のもとで、「必要に応じて
適切な措置を講じ、企業活動をしっかりと
サポートしていきたい」と語った。

山口副総裁は、日銀として「日本経済がデフレから脱却し、
物価安定のもとでの持続的成長経路に復帰することが
きわめて重要な課題と認識している」と決意を表明。

デフレ脱却には、「成長力強化の努力と金融面からの
後押しの両方が必要だ」とし、今年2月に打ち出した
「中長期的な物価安定の目途」の導入や資産買入基金の増額、
3月の成長基盤支援オペの拡充など一連の措置を
「デフレ脱却に向けたひとつの政策パッケージ」と説明した。

日本経済の現状について「横ばい圏内の動きを続けているが、
最近では、持ち直しに向かう動きがみられている」との認識を示し、
先行きは「新興国・資源国にけん引された海外経済の持ち直しや、
国内の復興関連需要の強まりから、わが国経済が緩やかに
回復していくことを期待している」とした。

先行きをめぐる不確実性として、1)欧州経済をはじめとした
海外経済の動向、2)原油価格をはじめとした国際商品市況の動向、
3)国内の電力事情を挙げた。

このうち、欧州情勢については、周辺国の
財政・経済構造改革という抜本的な対応を
スムーズに進めていけるか、「予断は許さない」と指摘。

最近では「スペインの財政改革が難航していることが、
金融資本市場の新たな不安定要因として
意識され始めている」と語った。