豪財政黒字化目標、政策金利に最大限の変動余地与える=財務相

オーストラリアのスワン財務相は24日、政府の
財政収支黒字化目標により、豪準備銀行(RBA、中央銀行)が
政策金利を動かせる最大限の余地が生み出されるとの考えを示した。

第1・四半期消費者物価指数(CPI)の
発表を受けメディアの取材に応じた。

同CPIは予想を大幅に下回る伸びとなり、
10年強ぶりの低水準となった。
来週の利下げが確実視されている。

第1四半期の豪CPIは予想外の低水準、利下げ観測大幅に高まる
第1・四半期の豪消費者物価指数(CPI)は、
予想を大幅に下回る伸びとなり、
10年強ぶりの低水準となった。

これにより来週の利下げ観測だけでなく、それ以降の
追加緩和観測が高まり、豪ドルは下落、債券利回りは
60年ぶりの低水準をつけた。

連邦統計局によると、第1・四半期のCPIは、
豪準備銀行(RBA)のトリム平均値CPIが
前期比0.3%上昇となり、市場予想の0.6%上昇を下回った。

前年比は1.6%上昇で、前四半期の3.1%から鈍化した。

総合指数に相当するオールグループも前期比0.1%上昇で、
市場予想の0.6%上昇を下回った。

基調インフレは第1・四半期平均で0.35%上昇、
年率では2.15%となり、中銀(RBA)の
長期目標レンジ2〜3%の下限に近付いた。

貿易加重ベースで1985年以来の高値に
上昇した豪ドル高がインフレ抑制の主因。

輸入物価が大幅に下落しており、先週発表された統計では
輸入消費財は第1・四半期に2.7%下落、20年ぶりの低水準となった。

貿易財は1.4%低下、3年強ぶりの大幅な低下となった。

ここ数カ月雨が続いたことも農産物の生産を押し上げ、
果物や野菜類を中心に食品は2.1%低下した。

非貿易財(サービス価格)は上昇、
教育は6%上昇、医療関連は4.4%上昇。

非貿易財は1.0%上昇、前年比では3.6%上昇した。

金融市場で来週の0.25%利下げは織り込み済みだったが、
CPI発表を受けて0.50%の利下げも小幅織り込んでいる。

今後1年では1.07%の利下げを織り込む水準となっている。

10年国債利回りは3.73%に低下、
1950年代以来の低水準となった。