ユーロ圏、銀行清算基金を新設する必要=ドラギECB総裁

欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は26日、ユーロ圏に
銀行清算基金を新設することが必要との考えを示した。

ドラギ総裁は金融統合に関する会合で「(危機を受け)
ユーロ圏レベルで銀行の監督・清算体制強化に向けた
正当性は一段と明確になった」とし、「現段階で、
この問題への取り組みが最も有益と考える」と語った。

ユーロ圏の銀行清算基金の設立をめぐっては、
一部ユーロ圏加盟国が強い反発を示してきた。

しかし、政策担当者の間では、域内のぜい弱な
金融機関に関する投資家の懸念を払しょくするには、
基金の設立が必要との見方が浮上している。

コンスタンシオECB副総裁も「(ユーロ圏の)システム上
重要な約36の大手行にとり、清算基金は不可欠だ。
危機時の(救済コスト)負担をめぐる難しい問題の
解消に向けた唯一の方策だ」と述べた。

経済学者のアンドレ・サピール氏は銀行清算基金の原資について、
ユーロ圏の納税者が負担を余儀なくされると指摘した。

コンスタンシオ副総裁は同意しつつも、銀行税の収益も
寄与する可能性があるとの見方を示した。

副総裁はまた、預金の保証及び銀行の破たん処理を行う
連邦預金保険公社FDIC)に類似した機関がユーロ圏に必要と指摘。

FDICは危機発生以降、400行を超える銀行の清算
再編などを手掛けてきた。欧州の観点から見ると、
規模の大きな銀行も含まれている」と述べた。