相対評価の円買い続く

今週の為替市場は、相対評価の円買いが
続くものと見ています。

米国では、週末に雇用統計が発表されます。

今回、失業率は8.1%と前回と同水準が予想され、
非農業部門の新規雇用者は前月比15.0万人増と
前回の11.5万人増から増加すると見られています。

前回の雇用統計では、非農業部門の新規雇用増が
予想を下回ったことや、雇用の回復には結びつかない
数字となったことで、米国経済の先行きに対して
懸念が広がりました。

今回は、新規雇用は前回を上回る数字が
予想されていますが、それでも15万人程度の数字では、
米国の雇用の回復には結びつかないと見られています。

新規雇用は、前月比で20万人超程度の数字が出ないと、
雇用の回復は読み取れないと言うことです。

このため、仮に、事前予想通りの数字が出ても、
依然として雇用は厳しい状況にあるということが
判断される可能性が強いと思います。

オバマ大統領にとって、秋の大統領選挙で
再選を確実なものにするには、
雇用の回復が磐石であることが必要不可欠です。

そのためにも、FRBに対して、米経済の回復はもちろん、
雇用の回復を確実なものにするように、
圧力が強まるものと考えています。

FRBとしては、追加緩和が
次の策として上がってくるものと思います。

これまで地区連銀の一部からは、利上げコールが
強まっていますが、雇用の回復が鈍い状況の中では、
もう一段の緩和に踏み切らざるを得ないことになる
可能性があります。

つまり、ドル金利は上昇よりも
低下を見通す声が強まる可能性があります。

一方、ギリシャ問題は解決が
出来ない状況になっています。

欧州共同債を巡って、ドイツとフランスの対立は強く、
妥協を得る可能性は少ない状況になっています。

さらに、欧州の多くの国は、ギリシャが緊縮財政の約束を
守らずに、ユーロ圏に残ることに懐疑的な見方を示しています。

ギリシャは少なくとも、緊縮財政を緩和してもらい、
ユーロ圏に居残ることを考えているようです。

しかし、これにはドイツが断じて反対しています。

ドイツ以外の国も、そうしたギリシャ
態度には反発しています。

こうした各国の意図がわかるだけに、
市場はユーロを買うことに
ためらいを持っているようです。

この中、円は依然として積極的に買う材料はないものの、
米国や欧州に比べると、まだ輝いて見えるようです。

相対評価の結果、円が上昇する、
この流れには変化がないと見ています。

予想レンジは、
ドル円が74.20〜81.20円、
ユーロ円が95.20〜101.20円、
英ポンド円が118.20〜126.20円、
ドル円が72.20〜80.20円。